布にはどのくらい種類があるの?それぞれの特徴と選び方を知りたい!
ハンドメイドをする人なら、どんな布を使って何を作ることができるのか、考えることも多いでしょう。布と言っても種類はさまざま。それぞれの特徴を知っておくことで、もの作りの範囲も広がるのではないでしょうか。
「布の種類を知りたい」「どんな特徴があるのか」「どんなものを作るのに適しているのか」そんな人たちのために、布の種類とそれぞれの特徴についてまとめてみたいと思います。
1.布の種類
1-1.綿
綿は、5000年以上前から人類に親しまれている食物繊維の1つです。もともと原産はインドで、イタリアやスペインを経由してヨーロッパに広まりました。日本に伝わったのは平安朝初期で、中国から貢ぎ物として贈られたのです。綿は現在、日本における衣料用繊維の約40%を占めています。
1-2.キルティング
布の間に綿や羽毛などをはさんで、ステッチなどで模様を描きながら縫い押さえたものがキルティングです。防寒用の衣類や寝具などに使われているため、目にすることも多いでしょう。本来の目的は保温性を高めること。当初は裏地として使用していましたが、現在は装飾的な意味合いが強くなっています。
1-3.ナイロン
ナイロンは、合成繊維として世界で初めて製造されたもの。その原型ができたのは1935年のことです。1938年にはアメリカの企業によって工業化に成功し、製品化が一気に加速しました。ナイロンは女性用のストッキングとして加工されたのが最初で、現在はスキーウェアやスポーツ用ジャケット、バッグ、釣り糸などにも使用されているのです。
1-4.リネン
リネンは、亜麻繊維を織物にしたもの。亜麻の歴史は古く、古代エジプトですでに使用されていたことが分かっています。ミイラを巻くための布がリネンだったことは有名な話でしょう。18世紀には、すでに衣類の一般的な素材として浸透していました。日本に伝わったのは1690年。肌着やハンカチなどによく合う素材として親しまれています。
1-5.レーヨン
レーヨンは化学繊維の中で最も歴史が古く、手触りや見た目が絹に似ていることから、以前は人工絹糸とも呼ばれていました。レーヨンの始まりは1884年。当時は絹が高価で手に入りにくかったため、代用として非常に重宝されていました。レーヨンの原料は木材パルプです。メンズ用のシャツやネクタイ、アロハシャツなどに使用されます。
1-6.アクリル
アクリルは、アクリロニトリルを主成分にした化学繊維の一種。毛糸や毛布によく用いられます。19世紀末に発見されたもので、その原料をたどると石油にだとりつくのです。日本では1950年代後半に工業生産が始まりました。
1-7.ポリエステル
ポリエステルは、化学繊維の中で最も多く生産されています。ポリエチレンテレフタレートという樹脂が原料ですが、もとをたどれば石油からできているのです。ポリエステルはさまざまな衣類に加工されるほか、カーペットなどのインテリア用品としても使用されています。
2.それぞれの特徴
2-1.汗を吸収しやすい綿
綿は耐久性があり汗を吸収しやすいため、肌着として用いられることも多くなっています。洗濯機で気軽に洗えるのがメリットでしょう。ただし、色落ちしやすいためほかの衣類と一緒に洗うのは危険です。シワや型崩れにも弱いため、化学繊維と混紡して製品にすることが多いでしょう。
2-2.防寒・保温に最適なキルティング
キルティングは厚手で防寒・保湿効果が期待できるため、冬に重宝します。保湿を目的とした用途に使用することが多いのです。ベッドカバーやソファーカバーにも最適で、デザインのよさからポーチやバッグ、クッションなど防寒に関係のないものにもよく使われます。アレンジしやすい生地も多いため、さまざまな作品を作るのに使用する人も多いでしょう。
2-3.摩擦に強いナイロン
ナイロンは摩擦や折り曲げに強いため、シワになりにくいというメリットがあります。弾力性があるため、型崩れの心配もないでしょう。速乾性があり、害虫にも強いのが特徴です。非常に丈夫なため、シルクの代わりにストッキングに用いられることも多くなりました。ただし、水を吸わないためインナー向きではないでしょう。
2-4.肌になじみやすいリネン
リネンは柔らかく肌触りがよいため、衣服に使われることが多くなっています。丈夫なため、長く使うほど肌になじみやすくなるでしょう。リネンに含まれるペクチンという成分のおかげで、肌に触れてもチクチクすることはありません。ただし、水を含むと膨張するため、生地が縮む可能性があるでしょう。
2-5.天然原料を使っているレーヨン
レーヨンは天然原料を使っているため、吸湿性があり手触りのよさが特徴です。光沢感もあるため、そこから人工絹糸という名前が付きました。ただし、シワに弱い、水に濡(ぬ)れるのに弱いという欠点もあります。
2-6.強度のあるアクリル
アクリルは安価ですが、強度があるのがメリットです。さらに、耐光性や染色性があり、薬品や油、カビ、虫などに強いのが特徴でしょう。しかし、汗をあまり吸わないのがデメリットです。
2-7.型崩れしにくいポリエステル
ポリエステルの特徴は、非常に強く型崩れしにくいこと。縮みやすい綿と混紡して製品にすることも多くなっています。繰り返し洗濯するような日常着に加工されることがほとんどです。
3.布選びのポイント
布の種類は豊富です。上記にご紹介したもの以外にもたくさんあります。その中からどうやって布を選ぶべきなのか、悩む人は多いでしょう。布選びに失敗しないためには、事前の準備が必要になります。まず、何を作りたいと思っているのか、必要なサイズはどのくらいなのかを考えてみましょう。そして、以下のようなポイントで布選びを行ってください。
- デザインで選ぶ
- 素材や織り方で選ぶ
- ブランドやメーカーで選ぶ
- 価格で選ぶ
まとめ
布の種類と特徴についてご紹介しました。
- 布の種類
- それぞれの特徴
- 布選びのポイント
「布選びに悩んでいる」「布の種類とそれぞれの特徴を知りたい」という人は、ぜひこの記事を参考にしてみてください。