手ぬぐいの手入れと保管方法で知っておきたい3つのポイント


日本伝統の手ぬぐいの起源は、鎌倉時代にもさかのぼると言われています。いまではカラフルな手ぬぐいも多くなりました。簡単なつくりながら風情のあるデザインと豊富な色合いが手ぬぐいの魅力です。しかし、お気に入りの手ぬぐいも扱い方を間違うならすぐに傷んでしまうこともあります。

そこで、手ぬぐいと長く付き合うために、手入れと保管方法で知っておきたい3つのポイントをご紹介しましょう。

  1. 手ぬぐいの保管方法
  2. 手ぬぐいの手入れの仕方
  3. 手ぬぐいの洗い方

1.手ぬぐいの保管方法

1-1.買った直後の保管方法

新しい手ぬぐいを使い始めるのがもったいないと感じる気持ちは理解できます。しかし、使わずにタンスにしまったままにせずに、どうぞ使ってください。本染めによる手ぬぐいの場合、そのまましまっておくと傷んでしまうことがあるのです。のりや染料は、まず洗っておくのが長持ちの秘けつとなります。手ぬぐいの染料として使われているものが、硫化染料であるときは特にそうです。染料の性質によっては、手ぬぐいに「ぜいか」と呼ばれる現象が生じ、手ぬぐいの生地が傷んでしまいます。長いあいだ使う予定がない場合は、買った後にまず洗い、その後に保管するようにしてください。

1-2.直射日光に気をつけよう

手ぬぐいの保管方法で気をつけたいもうひとつの点は直射日光です。とてもよい色合いのものでも直射日光によって、ムラのある色あせが生じてしまうことがあります。この現象は直射日光だけではなく、蛍光灯に長く照らされることによっても生じますので注意が必要です。タンスの奥にしまうこともおすすめできません。少なくとも光の当たる場所に長くさらすことのないようにしてください。

1-3.風通しのよい場所がおすすめ

手ぬぐいの洗い方にも関係しますが、洗剤は可能な限り使わないのがおすすめです。とはいえ、水洗いだけでは風通しの悪い場所に保管するといやなにおいがついてしまうこともあります。ですから、おすすめしたいのは風通しがよいようにカゴなどに保管しておくことです。同じ場所に長く保管することもおすすめできませんので、いくつかの手ぬぐいを交互に使うようにすることもよいでしょう。買ったときのまま袋にいれておくことも避けるようにしてください。

風通しが良く直射日光が当たらない場所がいいんですね。
はい。直射日光に当たりすぎると色あせしてしまいます。

2.手ぬぐいの手入れの仕方

2-1.ほつれがあるときの手入れの方法

新しい手ぬぐいを使い始めたときには、端のほつれが気になることもあるでしょう。ほつれた糸が長く出ているときには切ってしまってかまいません。使っていくうちに、ほつれがなくなります。そのときまで我慢して使い続けましょう。手ぬぐいにほつれがあるからといって品質が悪いというわけではなく、安物だということでもありません。手ぬぐいには折り返しや縫い目がないのが特徴であり、手ぬぐいの使いやすさの一面です。ですから、ある程度のほつれは覚悟しておきましょう。ただし、フリンジ加工している部分のほつれには気をつけてください。間違ったところを切ってしまうと大きなほつれが続けてできてしまいます。

2-2.しわにならない手入れの仕方

手ぬぐいは洗った後にしっかり伸ばしておくなら、大きなしわにはなりません。とはいえ、保管前にはアイロンをかけておくとよいでしょう。そうすれば、手ぬぐいがしっかりとした仕上がりになるので使うときも快適です。ぬれたままの状態でアイロンをかけることもできますが、生地が早く傷んでしまうこともあります。ですから、手ぬぐいがほどよく乾いてからアイロンをかけるのが一番よいタイミングです。手ぬぐいは薄い木綿(もめん)でできているため乾きやすくなっています。しかし、洗った後そのまま放っておくなら、しわが取れにくくなることもありますので注意してください。

2-3.長く使うための手入れの仕方

手ぬぐいを長く使う秘けつは、使いすぎないことですが、ずっと使わないのはおすすめできません。使いすぎによる傷みを避けるためには、いくつかの手ぬぐいを交互に使っていくことがよいでしょう。逆に、ずっと手ぬぐいを使わないでしまったままであるなら、においがついたり使っていないのに傷んでしまったりすることもあります。ですから、色やデザインがお気に入りの手ぬぐいであっても、使わないままではよくありません。手ぬぐいは日常生活の便利アイテムですから、使う楽しみもしっかり味わっていきましょう。

手ぬぐいの手入れはそれほど難しくはないんですね。
はい。お手入れが簡単なのも手ぬぐいのメリットです。

3.手ぬぐいの洗い方

3-1.色落ちに注意しよう

新しい手ぬぐいは単独で手洗いをするようにしてください。たいていの場合、最初の数回洗うときには、はげしい色落ちがあります。そのため、ほかの洗い物と一緒に洗濯機にいれることは避けましょう。ほかの服などに色がしみついてしまうので注意が必要です。いずれにしても、洗濯機の使用は生地の傷みを招くのでおすすめできません。色落ちは数回洗った後には収まりますが、それでも生地が傷んでしまうことのないよう手洗いをするのが最もよいでしょう。

3-2.洗剤を使うことは避けよう

本染(ほんぞ)めの手ぬぐいは通常の洗濯用洗剤を使うと大きく色が落ちてしまいます。そのため、洗濯用洗剤の使用は避けてください。漂白(ひょうはく)剤の使用も厳禁です。手ぬぐいを使うのが汗を拭く程度のものであるなら、普通の石けんを使い、ぬるま湯に浸して洗う方法で十分でしょう。もし、においが気になるなら、洗たくのときにアロマオイルを1滴ほど混ぜておくこともできます。洗い方はごしごしとこするのではなく、短い時間ぬるま湯に浸して押すぐらいで十分です。つけおき洗いも大きな色落ちになるので避けてください。

3-3.シミには部分的に台所洗剤を使おう

手ぬぐいにシミがあるなら、台所用の中性洗剤を部分的に用いることがおすすめです。できるだけこすらないようにして洗ってください。手ぬぐいの風情のよさは色落ちや使用感を含むものです。無理に急いでシミを落とさないで自然な風合いを保ちながらキレイにしていく方法がよい場合もあるでしょう。

色落ちに気をつけて洗えばいいんですね。
はい。汚れが少なければ水洗いで十分です。

まとめ

手ぬぐいにはカラフルなデザインが増えてきていますが、一番の魅力はその使い勝手のよさです。もちろん、インテリアとして飾ることもできます。しかし、光にさらしておくと色が抜けやすいため、手ぬぐいの寿命を縮めることになりかねないことは知っておきましょう。何度も洗い、使っていくうちに世界にふたつとはない自分だけの手ぬぐいに成長していくのです。そのためにも、手ぬぐいの賢い使い方のポイントを押さえて使っていきましょう。

手ぬぐいを買ったときには、

  • まず手洗いをしてのりや染料を落としておく
  • 風通しのよい場所で直射日光の当たらない場所に保管する
  • 洗うときは石けんを使って手洗いにする

などのポイントをしっかりと押さえて使ってください。

確かに手ぬぐいは消耗品です。しかし、きちんと手入れをして正しい保管方法で管理することにより、より長く使っていくことができるでしょう。


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