手ぬぐいの染め方の一種、反応染めの特徴は?


最近、手ぬぐいが再び人気を集めています。京都などの観光地では、かさばらないおみやげとしてノベルティや記念品としてオリジナル手ぬぐいを作成する人も多いです。

そこで、今回は手ぬぐいの染め方のひとつ、反応染めの特徴についてご紹介します。いったいどのような特徴があるのでしょうか?

また、手ぬぐいのほかの染め方についてもご紹介します。オリジナルの手ぬぐいを作りたいという方やノベルティグッズとして手ぬぐいを作成したいという方は、ぜひこの記事を読んでみてください。

  1. 手ぬぐいは粗品の元祖?
  2. 反応染めの特徴は?
  3. ノベルティグッズ用の手ぬぐいを格安で作るには?
  4. 反応染めで作った手ぬぐいの使い方は?

1.手ぬぐいは粗品の元祖?

粗品とは、企業がお得意様に配るちょっとした贈り物のこと。現在では、ノベルティグッズも粗品の一種と考えられています。今は粗品の種類も豊富になり、タオルのような生活用品から、レトルト食品のようなものまで色々です。しかし、昭和40年代くらいまでは粗品といえば手ぬぐいでした。今でも企業が粗品として配った手ぬぐいがたくさんある、というお宅もあるでしょう。手ぬぐいは軽くてかさばらず、用途も広いので何枚あっても困りませんでした。まさに粗品にぴったりの品だったのです。さらに、手ぬぐいは長方形の布ですから、色々な染め方ができました。

ですから、企業のセンスに合わせた豊富なデザインが生まれたのです。では、手ぬぐいの染め方のひとつ、反応染めとはどのようなものなのでしょうか? それを、次の項でご紹介します。

手ぬぐいは昔から粗品として用いられてきたんですね。
はい。現在のタオルのような感覚で使われていました。

2.反応染めの特徴は?

この項では、反応染めの特徴や向いている絵柄などをご紹介していきます。反応染めを使えば、どのような手ぬぐいに仕上がるのでしょうか?

2-1.反応染めのやり方は?

反応染めとは、手ぬぐいの染め方の中では最も新しいものです。ドイツで開発された技術を使い、生地の主成分であるセルロースにアルカリ性の反応液を混ぜた染料を直接反応させて染めます。この方法を使うと布の内部から染められるため、色落ちが少ないです。

また、非常に細かい柄も染色できるため、繊細なデザインも染められます。たとえば、人物を染めた場合、髪の毛の先まで細かに染め抜けるでしょう。さらに、手ぬぐいやのぼりなどでは重要な「裏ぬけ率」も70%~90%と非常に高いです。つまり、繊細で美しいデザインを染めたいという場合、反応染めはぴったりでしょう。

2-2.短期間で納品可能

手ぬぐいの染色は、もともと「注染め」という方法で行われていました。しかし、この方法ですと、発注から納品まで最低でも1か月はかかっていたのです。でも、反応染めの場合は10日~15日で納品可能。ですから、「急に手ぬぐいの作成が決まった」という場合や、「注染めで頼んだけれど、やっぱりデザインが再現できなかった。やり直したい」という場合でも大丈夫。さらに、単純な模様だけでなく浮世絵の再現など複雑なデザインを布上に映すこともできます。

2-3.反応染めの注意点

反応染めは、注染めよりもかなりハイクオリティーな仕上がりになります。しかし、その分コストがかかってしまうのです。反応染めは、ある程度色指定が可能ですが、当然ながら色を多用するほどコストがかかるでしょう。ですから、ノベルティグッズのように無料で大量に配る手ぬぐいに使うには向かない染め方です。しかし、何かの記念品や催し物の物販用に使う手ぬぐいならば、質の高い見栄えがするものができるでしょう。

反応染めは新しい技術なんですね。
はい。そのため、すべての手ぬぐいを作っている業者に導入されているわけではありません。

3.ノベルティグッズ用の手ぬぐいを格安で作るには?

低価格で質のよい手ぬぐいをたくさん作りたい、という場合は顔料プリントがお勧めです。これは、一色ごとに製板を作ってそこに顔料インクを載せて布地にプリントしていく方法になります。つまり、版画と同じです。反応染めと同じように1mm単位での細かいデザインも可能。しかし、多色刷りにすればその分製板も必要なため、値段が上がっていきます。ですから、ノベルティグッズで手ぬぐいを作る場合は単色刷りにした方が価格を抑えられるでしょう。しかし、単色刷りだからといって寂しくなるとは限りません。単色刷りでも、デザインしだいでいくらでも華やかな手ぬぐいは作れるでしょう。

手ぬぐいは染め方によって、値段を下げることができるんですね。
はい。デザインの再現が可能になる印刷方法をピックアップし、比較してみましょう。

4.反応染めで作った手ぬぐいの使い方は?

では、反応染めで手ぬぐいを作った場合どのような使い方がお勧めなのでしょうか? この項では、その具体例をご紹介します。

4-1.記念品として配る

結婚式や発表会の記念品として、手ぬぐいを配るのも粋なものです。手ぬぐいはかさばらないので、搬入も簡単でしょう。ふたりの似顔絵を染めたり、おめでたい柄を染め抜いたりしても結婚式にはぴったりです。

4-2.おそろいの衣装の一部として作る

お祭りに手ぬぐいは小道具として大活躍します。特に、踊りやお囃子(はやし)として集団で参加する場合は、おそろいの手ぬぐいを作ってもよいでしょう。一度作れば数年間は使えます。

4-3.物販用として作る

コンサートや博物館の企画展示をするときに欠かせないのが物販です。「記念グッズ」として買い求める方が多いでしょう。手ぬぐいならば、色々なデザインを染められます。また、反応染めは細かい模様も染められるので、人物もきれいに染められるでしょう。物販のグッズとしてはかなり高品質なものができます。

4-4.製作会社のデザイナーにデザインを相談してみよう

最近の手ぬぐいはかなり自由になっています。和風の柄だけではなく、洋風の柄を染めた手ぬぐいも珍しくありません。また、反応染めの場合は大きく人物を描いたり、逆に細かなデザインをびっしりと染め抜いたりしても面白いでしょう。「手ぬぐい・デザイン」で検索すると面白いデザインがたくさんヒットします。自分では面白いアイデアが浮かばないという場合は、製作会社のデザイナーに相談してみるという方法もあるのです。デザイナーは専門職ですから、よい案を出してくれるでしょう。

最近はオリジナル手ぬぐいを製作してくれる会社と、メールや電話で簡単に打ち合わせができるところが増えています。ですから、わざわざどちらかが会社や学校に出向いて話を聞かなくても、ネット環境さえあれば相談ができるのですね。これならば、オリジナル手ぬぐいも依頼しやすいでしょう。

オリジナルデザインの手ぬぐいの使い方はいろいろあるんですね。
はい。また、流行もないので長く使うことができます。

おわりに

今回は手ぬぐいの染め方のひとつ反応染めについてご説明しました。

まとめると

  • 反応染めは手ぬぐいの染め方としては新しい方である。
  • 繊維を化学反応して染めるので、中までしっかりと染まって色落ちしにくい。
  • 細かい柄まで完全に再現が可能。
  • コストがかかるのでノベルティには不向き。

ということです。

昔の粗品を見ると手ぬぐいはほぼ単色刷りになっています。しかし、寂しいという印象はありません。むしろシンプルだけど味わい深いものが多いのです。さらに、手ぬぐいは絵だけでなく文字も染め抜けます。ですから、卒業記念として校歌と校章を染めた手ぬぐいなどというものもお勧めでしょう。

また、手ぬぐいは使い方しだいで和服にも洋服にもあいます。さらに、ハンカチの代わりにもタオルの代わりにもなりますから、1枚バッグの中に忍ばせておいても便利でしょう。最近は手ぬぐいを飾る専用の額も販売されています。反応染めで美しい柄を染め出したら、絵のように額そうしてみても楽しいでしょう。実際、絵を飾るよりも安価に楽しめるということで、手ぬぐいを飾る人も増えています。


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