染色はとっても奥が深い!? 染色技法の種類とその特徴!


着ている洋服、持っているタオルや手ぬぐい、当たり前のように柄や色を選んでいますが、柄や色を作るためにすべて染められています。どのように染められているか、考えたことはあるでしょうか。昔よりも染めるのが簡単になりました。染色に使用する道具が充実し、染料も進化したためです。しかし、今でも昔から受け継がれた伝統的な染色が人気でしょう。やはり簡単に染められるようになっても、伝統的な染色は味があります。また見た目も美しいです。

今回は、染色技法について、染色技法の種類とその特徴についてもご紹介します。

  1. 染色技法とは?
  2. 染色のポイント
  3. 染色技法の種類
  4. 各技法が持つ特徴

1.染色技法とは?

1-1.先染めについて

色がついている布は、すべて染色されています。染色をするタイミングによって、先染めと後染めに分けられるのです。先染めは、その名前のとおり布になる前の段階で染められ、染められた糸を使って布が織られています。チェック、ストライプを表現するときは、先染めを使用しているでしょう。

先染めのメリットは、糸の状態で染めるので色に深みも出やすく長持ちするところです。デメリットは、染めのコストがかかることと、糸の状態で染めているため、流行(はやり)や人気色の増産に対応できない、というところでしょうか。

1-2.後染めについて

後染めはどういうものかというと、織って布になってから染めます。プリントものや無地は後染めで作られることが多いです。後染めのメリットは、大量に染められるためコストが低く、プリントや染める色も変えやすいので、その時の人気色や柄を染められます。デメリットは色に深みがないところですが、色もたくさん使用できるため色彩の豊富であればカバーできるでしょう。

1-3.たくさんある染色技法

後ほど「3.染色技法の種類」で4つの染色技法を紹介しますが、実は紹介する技法以外にもたくさんの染色技法があります。すべては紹介しきれませんが、たくさんある染色技法のなかから素材や用途に合わせてどの技法を使うかが決められていくのです。

染色にはいろいろな方法があるんですね。
はい。布の状態で染めておくものと、製品ができてから染める方法などがあります。

2.染色のポイント

2-1.素材で決まる染色技法

どんな染め方にするかは、染色技法で選ぶというより素材で決まります。素材によってうまく染まるものもあれば、染まらないものもあるでしょう。素材にあった染め方があるので、相性のいい染色技法を使って染めなくてはいけません。

2-2.染料も仕上がりを左右する

どんな染料を使って染めるかで、仕上がりが変わります。草木など天然染料を使うか、それとも人工的に作られた化学染料を使うかで風合いや色合いが違うでしょう。また、染料にするか顔料にするかでも異なるのです。染色技法にこだわるのも大切ですが、技法以外の部分にも目を向けると自分が理想とする染めが実現します。

素材によって最適な染め方が異なるんですね。
はい。また、染料によっても染まり方が違ってきます。

3.染色技法の種類

3-1.浸染(しんぜん)

染料を溶かした液体に、染めたい布を浸(ひた)して染めていきます。浸すだけなので意外と簡単に染められるでしょう。すべてを均一の色に染めたいというときに使われる技法です。

3-2.型染め

布の上に型抜きをした型紙を置き、その上に糊(のり)を乗せます。そして、糊(のり)をのせた場所以外を染めて型を残すのが型染めです。型染めの一つとして、手ぬぐいで使われる技法の注染(ちゅうせん)があります。

3-3.手描き染め

筆を使い、模様を描くようにして染めていきます。染めというより、描くほうに近い染色技法です。手描きなので同じものを作るのが難しく、一点物でよく使う技法となっています。

3-4.捺染(なっせん)

繊維に密着する糊(のり)と染料を混ぜ、捺染(なっせん)機と呼ばれるスクリーンやローラーで生地にプリントしていく技法です。水蒸気で色が定着したら、最後に水洗いで糊(のり)を落とすと完成します。

染色技法も種類が豊富なんですね。
はい。それぞれ長所と短所があるため、おおよそでいいので把握しておきましょう。

4.各技法がもつ特徴

4-1.浸染(しんぜん)の特徴

布のすべてを浸(ひた)して均一に染めるため、技法の中では初心者向けといえるでしょう。すべて染めてしまえば、色が定着しやすく色落ちしにくいです。市販で購入した衣服と同等程度の耐久性があり、生地の縮みも少ないと思います。伝統的な技法である草木染めも浸染(しんぜん)でおこなわれており、簡単に味のある染めができると幅広い用途で使用されているでしょう。

4-2.型染めの特徴

型紙を作成する人の腕がいいか悪いかで、仕上がりの柄が変わります。また、糊(のり)がしっかり塗られていないと、柄以外の部分を染めている間に、柄まで染まってしまうでしょう。柄を作りながらぼかしも入れられるため、日本らしさの残る染色に仕上がります。柄がハッキリ出るというより、少し輪郭がにじんで染めムラが味を出してくれるでしょう。

4-3.手描き染めの特徴

手描きなので、染める人の技術がいかされるでしょう。同じ人が描いても、パーフェクトに同じ柄は出せません。しかし、同じ柄が二度と出ないものほど手描き染めらしいとして、価値があります。すべて手描きで仕上げるため、依頼したときは納期に注意しましょう。職人さんの都合にもよりますが、手作業のため短時間で量産できません。

4-4.捺染(なっせん)の特徴

型を使うため、同じものを大量に生産するときは向いているでしょう。デザインの輪郭がハッキリ出ます。細かな柄を希望する場合や、柄をハッキリ表現したい場合は捺染(なっせん)がオススメです。手ぬぐいを作る際、型染めの注染(ちゅうせん)と捺染(なっせん)が主に使用されています。注染(ちゅうせん)よりも多彩な色で染められるため、色鮮やかな手ぬぐいを作りたいときは捺染(なっせん)を選択しましょう。

特徴を把握しておくと、染色技法を選ぶ際の参考になりますね。
はい。染めたいものの量によってもおすすめが異なります。

まとめ

染色について詳しく知ると、この染めはどんな技法で作られたのだろう…と気になります。ここで紹介した染色技法は、ごく一部です。まだたくさんの染色技法があるでしょう。染色技法をいくつか使い、オリジナルの染色をおこなう職人さんもいます。染色技法の組み合わせにより、今まで見たことのない染めが完成するでしょう。どんな用途で使われる布か、どんな染色技法がマッチする素材かによって使われる技法は変わります。奥が深い染色技法について、少しずつ知っていきましょう。そして、その影に伝統を受け継ぐ染めの職人さんがいると思うと、より染めて作られた洋服やハンカチ、手ぬぐいが大切にできます。


創業明治40年の確かな実績!国内生産のオリジナル手ぬぐいが1枚179円〜

国内生産のオリジナル手ぬぐいが1枚149円~